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日本の写真家・甲斐扶佐義の写真集『笑う鴨川』。1949年生まれ、11歳で写真を始めたという甲斐は、70年代から写真集の発行や写真展の開催などで作品を発表しており、その多くが京都を題材にしています。1972年にはフォークシンガーの岡林信康らとともに「ほんやら洞」を開店。ここは詩人たちの京都での拠点となったそうですが、2015年に全焼し、甲斐のモノクロネガなども失われてしまったそうです。70年代には撮り溜めた写真で青空写真展を開催するなど、京都の街と深く結びついた写真家と言えます。現在も精力的にエキシビジョンの開催や写真集の刊行を行っておりますが、本書は、90年代初頭に自費出版で刊行されたシリーズの中の一冊で、引き気味でかつ横イチで撮られた図版をセレクトして構成された一冊。巻末に全図版の愛のこもったキャプションをつけるところも写真家の人間味を感じさせます。