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20世紀を代表する写真家のひとりであるジョゼフ・クーデルカ(1938-)の作品集『Industries』。初期は、劇場・演劇写真に取り組み、その独創的なアプローチで評価を高めつつ、並行して行っていたチェコ国内のジプシーの居留地での活動で実力を身につけ、その一連は1968年の「プラハの春」(当時は匿名で紹介されて、ロバート・キャパ賞を授与)で結実します。以降亡命者となってからは、ヨーロッパ各国を旅しながら撮影を続け『Exils / Exiles』として発表、さらには『Chaos』や『Wall』などに見られるパノラマによるランドスケープなどを発表。その地位を確固たるものとしました。本書は、2017年のビエンナーレで発表されたもので、80年代半ばから始めたという「パノラマ」で構成されています。人間が自然を破壊し、人間の手で生み出されてきた工場や鉱山施設、そしてそれらが役割を終え、人間の手で廃墟とされ、消し去られそうになっています。荘厳で混沌とした産業景観を通して、私たち人間に強いメッセージを訴えかけるクーデルカらしい作品集です。