Google Translate
「アラーキー」の呼称でも知られる、日本を代表する写真家・荒木経惟の写真集『濹汁綺譚 / Marevelous Tales of Black Ink』。妻・陽子との新婚旅行の写真をまとめた『センチメンタルな旅』に代表されるように、被写体との濃密な関係性で生まれる荒木の写真。本書もまた、エロティックで過激な様相を呈しながら、荒木と被写体の関係が濃密に写し出されています。元々SM雑誌『SMスナイパー』で連載をまとめたもので、緊縛された女性たちを撮るという特異なシチュエーションに加え、プリント上で女性たちの猥褻部分を墨で塗って隠すなど加工。ここまでは、同名タイトルで90年代に荒木自身のレーベルより刊行された作品集と同じなのですが、Morelより出版された本書は、さらに図版に荒木語の墨字が記され、もう一つ、交互に花のイメージが織り交ぜられています。性と生、至っては死の世界までが一層強調された近年の荒木らしい作品になっています。Tate ModernのキュレーターSimon Bakerによるテキスト(英語のみ)。1000部限定。