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イギリスの写真家マーティン・パーの写真集『Bad Weather』。1970年代〜80年代にかけてのモノクロ、現在に至るまでの原色の強い鮮やかなカラー、極端なクローズアップと独特のコンポジションによるオリジナリティあふれる描写に加え、ユニークでキャッチーなコンセプトとテーマ性に富んだ作風は、メンバーでもあるマグナム・フォトの枠を超えて、数多くの写真家に多大な影響を与え続けてきた巨匠マーティン・パー。本書は1982年発表の輝くべき1st写真集。ジャーナリストとしての活動に限界を感じ、新たな視点と方法を模索していたパーが、霧・曇・雨・雪と悪天候の多い母国イギリスで過ごす中で、その天候が醸し出す独特の雰囲気に「何か」を感じ、直感的に夢中になって取り始めたという私的なドキュメンタリー。水中カメラで収められたという図版には、悪天候に苦しみ、時に楽しむ人々の姿があり、自然物によって生じた決定的瞬間には類をみない奥深い美しさがあり、そして確かにそこには「イギリス」があるのです。