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戦後日本を代表する写真家である石元泰博の作品集『桂離宮 空間と形 / Katsura Villa Space and From』。30年ぶりに撮影された石元による「桂離宮」の2作目。アメリカで写真とデザインを学んだ石元が、シカゴの街でみたミース・ファン・デル・ローエが描くファサードの平面構成に重ね合わせ、「引き算の美学」で写したモノクロの建築写真は、『桂 日本建築における傳統と創造』として、ハーバート・バイヤーのデザインで、作品集として刊行されたのが1960年。その後、71年には亀倉雄策のデザインで新装版が発表されています。この間日本で過ごした石元の「美学」にも変化が生まれ、フォルム・ディテールの美によらない、光沢や模様、またカラーの美しさも加えられた「足し算の美学」が、本作でも十分に描写されています。建築のカラー写真作品としては、戦後随一とも言える一冊です。