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広島を拠点に活動した写真家・高山邦宏と原田一春による作品集。1970年代半ば以降一時的に全国で盛んになった「自主運営ギャラリー」の動きに呼応するかのように、日々コマーシャルの仕事を行いながらも、自らの創作活動を行うために集まった広島の写真同人グループ「Das Neue(ダスノイエ)」。70年代後半に計3度のエキシビジョンを行い、写真集としては中心メンバーであった高山と原田によって、「なんだろう倉敷」(1977)を上梓、その翌年に刊行されたのが本書になります。販売目的で刊行されたものではないようで、発行部数も300部。前作は、詩も交え女性を意識したようなポエティックな作品集でしたが、今作は「宮島」という大観光地をモチーフに、観光者的目線とローカルな目線を織り交ぜ、ダイナミックかつストーリーに満ちた構成に仕上げています。当時代に全国的にひしめいた数ある自主ギャラリーの中でも、ひときわ輝きを放った同人による知られざる名著と呼ぶにふさわしい一冊です。写真家サイン入り(Signed)。