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日本の写真家・平良孝七(1939−1994)の写真集『塩屋・ウンガミ -沖縄県大宜味村塩屋ウンガミの記録-』。比嘉康雄らとともに沖縄の写真界の先駆として、大きな影響を与えてきた平良孝七。琉球新報写真部、琉球放送テレビ報道部を経て、1970年琉球政府(現沖縄県庁)広報課といった経歴からも分かるように、戦争の傷跡が色濃く残り、本土復帰や基地問題で揺れる戦後の沖縄をジャーナリスティックな視点で見つめてきた平良は、1970年に『沖縄』を出版。そして本土復帰以降は、沖縄内部に視点を移していき、70年代後半には宮古・八重山群島を5年間に渡り撮影したドキュメンタリー『パイヌカジ』を自費出版、第2回木村伊兵衛写真賞を受賞しています。本書は、80年代に地元有志の依頼を受けて、4年の歳月をかけて撮影された沖縄本島北部で行われる「塩屋・ウンガミ(海神祭)」の一連を描写した図版で構成されています。海かなたのニライ・カナイから来訪神を迎え、豊穣を祈る民俗行事ですが、その内容をテキスト・図版を用いて適切に記録し、その貴重な文化遺産を後世に永く伝えるべく刊行されました。