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カナダ生まれの写真家ブライアン・ヤングの写真集『The Train NYC 1984』。ブライアンは、ICPで写真を学ぶために1984年に始めてニューヨークを訪れ、70年代半ばから続く終わりの見えない経済不況の真っ只中にいるアメリカに驚きます。犯罪やドラッグが蔓延し、地下鉄は観光者にも最も恐れられた空間のひとつでした。そんな状況下で撮影されたニューヨークの地下鉄を舞台にした作品集がこちら。同時期にはマグナム・フォトの巨匠Bruce Davidsonによる『Subway』や、スイスの写真家Willy Spillerによる『Subway New York -Menschen im untergrund-』などが発表され、ともに再版さらには近年改訂版も刊行されており、Photobookの名作のひとつと評されていますが、ブライアンによる本作も大変素晴らしい。両作とは異なりモノクロでの構成ですが、当時の様子や雰囲気が伝わってくる迫力に溢れた図版と、見事なブックデザインに魅了される一冊です。