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日本の写真家・磯部昭子の写真集『Erotica』。磯部は武蔵野美術大学卒業後、広告や雑誌、音楽関連のヴィジュアル制作と並行しながら作品発表を続けてきた写真家で、人工的な色彩や質感、都市に漂う欲望の気配を独自の感覚で捉えてきました。本作では、モデルの身体、化粧品や食品、プラスチック製品、雑貨などが等価な存在として画面に配置され、現代東京の消費空間に満ちるフェティッシュな感覚が濃密に立ち上がります。鮮やかで艶やかな色彩は一見ポップで華やかでありながら、その奥にはどこか空虚さや不穏さも漂い、SNS時代の“映える”表面そのものへの違和感も感じさせます。タイトルにある「erotica」は単純な性的表象を意味するのではなく、人とモノ、欲望とイメージが高速で循環する都市の感覚そのものを指しているようにも見えます。ファッション写真や広告表現以降の現代写真とも接続しながら、人工性と親密さ、魅了と違和感が同居する現在の都市感覚を映し出した一冊です。