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チェコ出身の写真家ヨゼフ・クーデルカ(1938-)の作品集『Chaos』。1968年のプラハ侵攻の記録や放浪を主題とした作品で知られるクーデルカが、亡命後に長く取り組んできた風景シリーズの到達点として位置づけられる一冊です。本書に収められたのは横長のパノラマで撮影された荒廃した大地の光景であり、鉱山や採掘地、廃墟のような場所が人影を失ったまま広がります。幾何学的な構図と強い光と闇の対比によって形づくられた風景は、具体的な場所や時代を超えた「どこでもない場所」として立ち現れ、人間が残した痕跡と時間の堆積を静かに示します。放浪者としての視線を都市から大地へと拡張した後期クーデルカの重要な仕事であり、文明と自然の関係を根源的に問いかけるパノラマ作品集です。