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アメリカの写真家ロン・ジュード(1965-)の作品集『Emmett』。カリフォルニア州コヴィナ出身、アイダホ州で育ったジュードは、ボイジー州立大学で美術学士を取得し、のちルイジアナ州立大学で美術修士号を得て活動を続ける写真家・教育者です。彼の作品は「人」「場」「自然」「記憶」の交差する関係性を静かに描き出し、アメリカの風景と時間の痕跡を微妙なトーンで捉える表現が特徴です。本書では、1980年代初頭のアイダホ州中央部で撮影された未発表のネガから選び抜かれた作品群を収録し、当時の土地の佇まいや気配が、今も蘇るような視覚体験へと転換されています。無人の風景、淡い光で浮かび上がる建築、そして時間にさらされた物たちが、過ぎ去った瞬間の「存在と消失」のあいだを漂うかのように映し出されます。見る者はページをめくるごとに、記憶の余白と風景の臨界点に誘われ、写真という装置を通じて「忘れられゆく瞬間」がいかに記憶されたかを再考せずにはいられません。