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フランスのアーティスト、シルヴァン・クズネ=ジャック(1983-)の作品集『Sub Rosa』。写真を基盤に、映像や音響、建築的アプローチまで横断しながら、都市空間に潜む権力や記憶と、そこに生きる個人の欲望や不安を読み解く実践を続けてきました。人々の居場所や社会との距離を可視化することに関心があり、近年は歴史的・政治的意味を帯びた場所と若者文化が交差する局面を丁寧に掬い上げています。本作は、スペイン独裁政権の勝利を象徴して建てられた巨大な記念建築を背景に、ティーンエイジャーたちが集う日常の光景を夕暮れから夜にかけて撮影したものです。過去の抑圧を刻むモニュメントと、そこに無邪気に存在する身体が同じ画面に佇むことで、歴史は忘却されるのではなく、現在と地続きにあるという複雑な現実を示しています。演出とドキュメンタリーの境界を揺らしつつ、写真が権力や記憶をどのように受け止め、未来へとつなげられるかを問いかける一冊です。