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日本の写真家である椎原保(1905-1974)の作品集。2021年に逝去された世界的な写真史家で屈指の写真集蒐集家としても名高い金子隆一(1948-2021)との共著となっており、金子がテキストを綴っています。椎原は戦前の前衛写真の先導者であり、安井仲治らも属した丹平写真倶楽部のメンバーで、丹平十傑の一人といわれた凄腕。大学までは西洋画を学んでおり、フォトグラムやフォトモンタージュなどのアヴァンギャルドな創作に秀でており、特に自身の手で描いたイメージを印画紙で表現する「Photo Peinture」(フォトパンチュール)などは、画家にルーツのある椎原独自の作品として知られています。「絵画と同じ道を写真は何時までも進んでゆくべきではない。絵画の影響に依って進歩した写真は、最早絵画と違った別の、写真としての、軌道にのるのが本当ではないか」(本書より、作家本人のコメントより)。本書は、ベルリンの良質な写真集を刊行するOnly Photographyから300部限定で刊行されたもので、113図版収録された貴重な一冊です。エディションナンバー入り。