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日本の写真家・森山大道の作品集『光と影 / Light & Shadow(First Edition, With OBI)』。言わずと知れた森山初期〜中期における主要作品の一つであり、『にっぽん劇場写真帖』や『写真よさようなら』と並ぶマスターピース。写真の既成概念を否定し、リアリズムを否定して、従来の写真行為そのものに対する訣別宣言を行った『写真よさようなら』以来、写真とは何か、写すという行為とは、という考えに行き詰まり、思考と行動のバランスが崩れて、一時期写真が撮れなくなった森山大道。そんな時、写真技術の先駆者・ニエプスが写した、光を留めた「風景写真」に思い起され、自身の思いを表現しようとするスタイルに固執せず、目の前の事実・その光と影の産物を素直に捉えればよい、と原点回帰に至った本作『光と影』。中平卓馬も、アレブレのスタイルからストレートな活写に移行していったように、森山もデザイン性に富んだモノクロのグラフィカルなスタイルをベースとしながらも、自然が生んだ現実をただ「複写」するという行為に回帰していった第二期・森山大道のスタート作品。