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ロシアの写真家エフゲニー・ヴァシンの写真集『Just a life』。ヴァシンの経歴の詳細は定かではなく、写真家としての知名度も高くはありません。カメラを持って初めてストリートに立ったのが40歳前後の時。それまでは従軍後、シベリア・ノヴォシビルスクの研究機関でエレクトロニクスのエンジニアとして働いていたそうです。1988年に趣味が高じて写真を撮り始め、以降7年間に撮りためた2,000ものネガの中から収録された作品が本書。ロシアのストリートのスナップで構成されておりますが、その内容が素晴らしい。大衆を捉える親密な視点、ユニークな描写、計算尽くされた構図、やや粗めなモノクロ等、ありきたりの日常を見事な視点から捉えた作品は、エド・ファン・デル・エルスケンやトム・ウッドら名ストリート・フォトグラファーを想起させます。現在はマーティン・パーやエド・テンプルトンら著名な写真家からも支持されるヴァシン。知られざるロシア写真集の傑作。