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日本の写真家・倉田精二の写真集『80's Family』。東松照明、荒木経惟、森山大道ら戦後日本を代表する写真家らによって開校された伝説の「ワークショップ写真学校」の第1期生であった倉田精二。東京芸術大学では絵画科で油画を専攻し、美術教師を務めた経歴を有し、30歳近くで写真を始めた異色のフォトグラファー。池袋・新宿を彷徨い、ゲイ、ヤクザ、暴走族、風俗嬢といったアウトローな人々を強烈なストロボで活写した「Flash Up」で第5回木村伊兵衛賞を受賞し、センセーショナルデビューを果たし、猥雑で挑発的な図版の中に独自の審美眼を描写した作風は高い評価を受けました。本書は、1991年に刊行された作品集で、80年代の写真家倉田精二の10年間の軌跡。70年代後半に見られた暴力的な相貌は後退し、ありふれたごく日常の風景が描写されていますが、対象と見なされるモノ以外にも、不思議で時に奇妙にさえ感じるもうひとつの不確かなモノが写し込まれています。倉田精二的ソーシャル・ランドスケープ。