m.d.p.n.

Thomas Ruff

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現代ドイツを代表する写真家トーマス・ルフの作品集『m.d.p.n.』。2016年に、東京国立近代美術館から金沢21世紀美術館まで巡回した日本初の大回顧展が記憶に新しいトーマス・ルフ。アンドレアス・グルスキーらとともに、ベルント＆ヒラ・ベッヒャー夫妻に学んだいわゆる「ベッヒャー派」の一人ですが、解像度を最大化して「見えないものを見える」ところまで引き上げたグルスキーに対して、ルフは、デジタル加工や3D画像など「見えるものを見えない」ような描写や、既存映像の処理による再構築など、新たな写真概念の構築に挑み続けるアーティストです。いずれも21世紀の現代写真の先導者でありますが、こちらは、2002年にイタリア・ナポリのフィッシュ・マーケットを舞台に撮影された図版で構成されており、デジタルを駆使した外部イメージに対して、ドキュメンタリータッチな内部イメージのコントラストがユニークな一冊です。

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