Google Translate
日本の写真家・熊谷勇樹の作品集『Interlude』。熊谷は写真家の横浪修に師事した後に独立し、ファッションブランドのキャンペーンや雑誌、広告、アーティストポートレートなど幅広い分野で活動してきました。その一方で、商業的な要請から離れた場所でも撮影を続けており、本書は写真を始めて約10年という節目に、それらの私的な実践をまとめた初期の集大成ともいえる一冊です。人の身体の線や肌理、波立つ水面、霞む海辺、子どもの姿、群衆、皺の刻まれた手、星座や赤ん坊など、多様なモチーフは明確な物語へ回収されることなく、断片的な記憶のように静かに連なっていきます。タイトルの「Interlude(幕間)」が示すように、本書は何かの始まりや終わりを宣言するものではなく、移り変わる時間のなかで立ち現れる感覚や気配を留めた記録ともいえるでしょう。2000年代以降の日本写真に見られる、個人的な経験や感覚を重視する写真表現とも響き合いながら、被写体の匿名性を保つことで鑑賞者自身の記憶や感情を呼び起こしていきます。商業写真家として培われた洗練と、私的なまなざしの繊細さが交差する、熊谷勇樹の現在地を示す重要な作品集です。
<Condition> 本体:経年並み
Customers who viewed this item also viewed
小さな生命 フォート・ドキュメント その死と生と / Photographic Document The Tiniest Life