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戦後日本を代表する写真家のひとりである田原桂一(1951-2017)の写真集『メタファー / Metaphore』。70年代よりパリを拠点に「光と影」を巧みに用いた造形的かつ映像的なモノクローム作品で注目を集め、「都市」「窓」をモチーフにした現代美術的な作品で高い評価を得ます。以降は、写真のみならず、建築・彫刻・インスタレーションなど、幅広い領域で活躍したアーティストです。こちらは、田原としては異色作である「ファッション写真」で構成された作品集で、ヨウジ・ヤマモトとのコラボレーション。ヨウジがコム・デ・ギャルソンと共に81年にパリコレに乗り込み、「黒の衝撃」と称されたコレクションを発表したのが翌82年ですが、本書では田原がアーティストをモデルに、81年から86年の間に撮影したポートレートが掲載されています。今の時代ではめずらしくなった、男性的要素の強い、黒い世界の作品の数々です。