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日本の写真家・落合達太郎の作品集『写像 / Syazo』。落合の経歴の詳細は定かではありませんが、奥付の略歴には、1934年千葉県市川市生まれ、1959年日本大学歯学部卒業、1977年カメラ毎日「アルバム」に2回掲載、1977年~79年国画会入選、と記されています。歯科医を本業として、アマチュアとして写真を営まれていたのかもしれません(カメラ毎日1977年12月号には「鉄塔」のタイトルで掲載記録あり)。古くは迫幸一や新山清、さらには石元泰博やレイ・K・メッツカーらを想起させるような、造形美にあふれた抽象描写の作品に特に魅力のある写真家です。本書は、落合が70年代に撮りためた作品の中から選りすぐられた図版で構成されており、映像表現を意識したカラー図版から始まり、素材のフォルムやテクスチャーを繊細に写し出した図版、モノクロの陰影を造形的に捉えた作品、さらには絵画のような絵心・遊び心に富んだものまで、落合の多様な思考と確かな技術に魅了される一冊です。