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日本が世界に誇る女性写真家・石内都の作品集『From ひろしま Hiroshima』。1970年代後半から写真を撮り始め、当時は写真とは全く関係のない仕事をこなしながら土日に撮影、1979年に発表した2nd写真集『APARTMENT』で女性初の木村伊兵衛写真賞を受賞、一躍脚光を浴びながらも、コマーシャルは一切を受けず、自身が感じ、自身と重なり合う「匂い」や「気配」を描写し続けた石内都。1990年以降は『1・9・4・7』『Mother's』、そして近年の『Frida by Ishiuchi』等、対象を「ヒト」「モノ」に移し変えた接写を通じて、その背景に宿るストーリーを丁寧に紡いできた写真家です。本書は、2007年から2014年にかけて撮影された図版で構成されており、広島平和記念資料館に毎年寄贈される「遺品」が収録されています。何十年もの間、大切に守られてきた品々が、光を浴びて、空気を吸う。そしてかすかに何事かを語り始めた瞬間を、石内が見逃さずに捉えています。