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オランダの写真家ルード・ファン・エンペル(Ruud van Empel, 1958–)の作品集『Souvenir d’Intime / Still Life』。エンペルは写真素材を細密に組み合わせて構築するデジタル・フォトモンタージュの手法で知られ、写真でありながら絵画のように完結した世界を生み出す作家として国際的に評価されてきました。自然や人物、植物などの断片を幾重にも重ねて構成されたイメージは、鮮やかな美しさと同時にどこか人工的な静けさを漂わせ、現実と想像の境界を揺さぶります。本書は展覧会にあわせて刊行された作品集で、作家自身がとりわけ私的な領域に近い作品として位置づける静物イメージを中心に収録。花や果実など身近な対象を緻密に再構成した画面には、記憶や感情の断片が静かに織り込まれており、写真というメディアが持つ構築性と幻想性を改めて感じさせます。精緻に作り込まれた視覚世界の中で、個人的な記憶の気配がほのかに立ち上がる一冊です。