When Abba was Ill（Signed）

Adil Hasan

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インドの写真家アディル・ハサンの作品集『When Abba was Ill（Signed）』。現在はニューデリーをベースに活動を行なっている写真家で、ニュージーランドのオークランドで写真を学んだというハサン。こちらは、2014年に発表されたファースト・ブックで、ジャイプールで毎年1月に行われるJaipur Literature Festivalでローンチされました。ガンによる余命6ヶ月の宣告を受けたハサンの父Mahmoodを、古いヤシカ及びキャノンのフィルムカメラで撮影した図版で構成されています。家族の死と向き合う作品集は多いですが、本書がユニークな点は、父の病気が進行してやせ細っていく、苦しく・悲しい現実は、観音開きページの内側に挿しこみ、表側は写真家のカラーをベースとした心情及び心象風景で構成している点です。「生死」の現実が重くなりがちなデザインを避けて、死を心にすうっと溶け込ませ、受け入れられるような演出が巧みです。それは、カメラを通して父の死を受け入れたハサンの気持ちそのものであったのかもしれません。写真家サイン入り。

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