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日本を代表する写真家のひとりである荒木経惟の作品集『花幽 / Flower Ghost』。こちらは2019年にArt Museum of Nanjing Universityで行われたエキシビジョンに際して刊行された作品集。タイトルの通り「花」をモチーフにした一冊となっています。荒木が花を撮るようになったのは、陽子の没後以降からが中心であり、今はなき妻に思いを馳せながらカメラに収めていくようになります。よって花は、荒木にとって「女」であり、「生」の証であり、そして「死」を象徴するものでもあります。石内都が「花を撮るようになったら終わり」と自身に問いかけながらも、大好きな「薔薇」の撮影依頼が来た時には、断れずに撮影したように、「花」にはヒトの心を動かす様々な要素が凝縮されています。本書も、陽子が亡くなった90年1月に撮影された図版から始まりますが、その後「花人生」「花曲」「色情花」「花小説」など、様々な広がりを見せていった荒木による花の写真集成とも言える一冊です。