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本書は、1960年に東洋レーヨン(東レ)が発行していたスワッチ(生地見本帳)ですが、3ヶ国語表記でありながら日本語のない内容(英仏西)となっているため、素材輸出向けに制作されたものと考えられます。ラグジュアリーからコスチュームブランドまで、ファッションの最先端はフランスなどヨーロッパが中心となっていた時代であったからかもしれません。カバーは新製品のナイロン素材を使用、ピンクやイエローブルーなどのアクリル板などを用いており、グラフィックデザインも秀逸。デザイナーのクレジットを確認すると「杉浦康平」「宇野亜喜良」「菅谷貞雄」の名が刻まれています。また、コスチュームを纏った写真図版も挿入されていますが、写真家のクレジットには「秋山庄太郎」「杵島隆」「佐藤明」「奈良原一高」の名が表記されています。海外戦略向けとはいえ、この時代にこれほどのビッグネームのアーティストを起用した「カタログ制作」をしていた事実に驚愕です。