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日本の写真家・田阪勝の作品集『京の街角 / Kyoto Street Corner』。田阪の略歴の詳細は定かではありませんが、あとがきによるとアマチュア写真家で、本業は鍛冶屋であると言います。これまでに、神社仏閣・庭園・城・離宮・町家・山河・手工芸といった伝統的な題材をモチーフとした「京都」の作品集を数多く見てきた中で、京都在住者としては、それで「京都」が語られるには不満があると言います。「京都にも街角があり、生活がある。名もなき庶民の、静かな生活の営みがある。(中略)そうした市井に息づく人々への生の賛歌を、写真で謳いあげることができれば、こんなに素晴らしいことはない」と、立ち上がって自費出版で刊行した一冊です。確かに、舞妓さんや外国人観光客の姿も京都らしいといえば京都らしいのですが、内側の目線から捉えた京都も、また面白い。そして、スナップやコンポジションにも、作者のセンスや技術が見え隠れします。「1970年代の京都の日常」が見事に凝縮された一冊です。