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日本の写真家・金英洙の写真集『写真〈田中泯〉』。1950年生まれ。1971年に東京綜合写真専門学校を卒業し、雑誌で土方巽や三条万里子、アキコ・カンダといった舞踏家やダンサーの舞台写真、さらには暴走族らの写真を発表してきた金英洙。1976年には写真を一時廃業し、地元である北海道に戻っています。本書は、舞踏家であり、最近では俳優としても様々な作品に参加している田中泯を撮影した写真集です。自然の中や装置のある会場でパフォーマンスをする田中泯の姿を、モノクロのハイコントラストで写し出しています。舞踏家と写真家といえば細江英公が土方巽を写した『鎌鼬』や前衛芸術フォトグラファー羽永光利の作品群などで知られ、身体表現と写真表現の蜜月は知られるところですが、本書もまたそれらと比肩する素晴らしい内容です。冊子のような体裁のため写真の点数は決して多いわけではありませんが、パフォーマンスの記録だけに留まらない金英洙という写真家の豊かな才能を感じさせる1冊です。