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“現代写真の視点を追う 写真表現の総合情報誌”である『Photo Graphica』。本書は2009年の秋号で、特集は森山大道。約1200カットから構成されたという作品ページは約90ページにもおよぶボリューム。撮影にはすべてデジカメを使用したということで、作品ページの後のインタビューでは、デジタルか、フィルムか、という興味深い内容が続きます。モノクロ写真でよく知られる森山は、デジタルではカラーしかやっていないと話しており、かつてもペラペラな色彩やいかがわしい色への反応としてカラー写真を用いていたそうですが、デジタルにおいても同様で「人工的なところがマジカルでいかがわしくていい」と語り、また、フィルムに対してデジタルは記憶感が希薄であるため、その軽さがいいとも。「フィルムと印画紙じゃないと絶対に嫌だというこだわりはぼくにはない。あるのは自分の写したい欲望へのこだわりだけだね」と、ストレートな物言いで語るところにも森山の写真表現の懐の深さを感じさせます。そのほかにホンマタカシと金村修によるストリートスナップ、北井一夫の暗室の紹介などを掲載。