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日本の写真家・藤井裕士(1978-2002)の写真集『写真へ / Toward a Photograph』。関西学院大学文学部美学科を卒業後、写真家を志し、2001年にビジュアルアーツ専門学校大阪写真学科へ入学するも、写真を学び始めてわずか8ヶ月で、撮影に出かけた旅先の北海道で不慮の事故にあい夭折した藤井裕士。没後に両親の手によって発行されたのが本書であり、2003年にニコンサロンにて同名の写真展も開催されました。「作業」「北へ」と2部で構成されており、学校での習作なども含む「作業」では、西成の人々のポートレートや夏期合宿で教えを受けた森山大道の姿も。また、入学した年の冬休みに北海道へ向かった「北へ」は、雪国らしい風情の町並みとともに、冬の海がさみしげに写し出されています。ビジュアルアーツで担任となった写真家の百々俊二が編集を手がけ、僅かな時間をともにした森山は、「街角の情景へ、佇む人間へ向ける視線は、暖かく細やかで優しい」そして「とても一年足らずのキャリアだったとは思えない手ごたえのイメージばかりである」とその才能を讃えています。