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本書は、カメラ毎日創刊20周年を記念して刊行された一冊で、当時の有名写真家100名が紹介されており、自薦作品のほか作家のポートレートや略歴が収録されています。ユニークな点は、そのポートレート(図版)や人物評(テキスト)を、その作家の人となりや作風・考え方を最もよく知っていると思われる身近な方々が行なっているところです。例えば、立木義浩は助手を務めた長濱治が、中村正也も弟子であった栗本信実が、そして篠山紀信は同窓の沢渡朔がポートレート撮影とテキストを担っています。そして、見逃せないもう一つの点は、深瀬昌久のテキストを当時妻であった洋子が記していることです(写真は野沢一興)。その文章を一部抜粋「十年もの間、彼は私とともに暮らしながら、私をレンズの中にのみ見つめ、彼の写した私は、まごうことない彼自身でしかなかったように思います。近ごろは、三十九歳という年齢のせいか酒乱癖も柔らぎ、ほんのわずかな世間的思いやりを、家族に見せるようになったものの、共同生活者としての深瀬氏は、救いようのない、エゴイストのコンコンチキであります」。