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アメリカの写真家ジョエル・スタンフェルドの写真集『American Prospects』。「いかにも70~80年代のアメリカ写真」という名著。戦前戦後のウォーカー・エヴァンス、50年代のロバート・フランク、60年代以降のリー・フリードランダーといった「ドキュメント」「ロードムービー」「ソーシャル・ランドスケープ」の系譜を継ぎ、70年代からのウィリアム・エグルストンらによる「ニューカラー」の流れを汲んで、70年代後半から80年代にかけて創作されたスタンフェルドによる「ニューランドスケープ」。フォルクスワーゲン1台で全米を旅してまわり、「変わらない」そして「変わりゆく」アメリカの風景を、カラーで描写。8×10で撮影された大きなランドスケープの中に、アクセントを効かせたポートレートやカラーのモチーフを織り交ぜ、「自然」「都市」「人間」の現在そして未来に至る関係性を考えさせるような図版の数々に魅了されます。社会的・芸術的見地両面においても秀でたマスターピース。1987年・初版に続いて、サイズをひとまわり大きくして、プリントもより美しくなって刊行された2003年版。