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日本を代表する写真家であり、世界的にもその名を知られる森山大道の写真集『劇場』。粒子の荒い質感やアレ・ブレ・ボケが効果を発揮した独特の表現は、60年代の写真界に大きなインパクトを与えました。本書は鎌倉を拠点にインディペンデントながら森山をはじめ深瀬昌久、尾仲浩二ら日本人をはじめジョエル・マイロウィッツ、アントワン・ダガタやエド・テンプルトンといった外国人写真家の良書を発行し続ける出版社「Super Labo」からの1冊です。森山で“劇場”と言えば、デビュー作の『にっぽん劇場』が浮かびますが、本書では70〜80年代に撮影された写真からセレクトされており、社会(会社や家庭)の波に揉まれるサラリーマンの欲望と悲しみの物語を抽出したという構成になっています。その活動初期では、繁栄する社会の裏側(アングラ劇団や性産業など)ともいえる世界をフォーカスしてきた森山ですが、本書においてもバブル経済の到来を一兵卒として支えたサラリーマンたちの哀愁漂う姿や、彼らを蠱惑する水商売の女性などを森山ならではのスナップで写し出しています。500部限定。