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日本を代表する写真家荒木経惟の写真集『東京ノスタルジー』。本書は『荒木経惟文学全集』の全8巻完結を記念して刊行された作品集。80年代半ばから645の中判カメラで撮り続けてきた図版で構成された「写真小説」。撮っている時から「映画みたいに見せよう」と決めていたそうで、見開きごとに16点ずつ、1点1点の流れと、ページを開いた時のマスとしての映像、図版総数は2212点にも及びます。荒木曰くは、東京という素材も、映画としての手法も、小説を書くためにはぴったりだとか。また、巻き上げではなく連写できるという645判のカメラのメカニズムが、シネマの発想を生んだそうです。そして映画ということで本書は「小津安二郎 東京物語」へのオマージュでもあり、ページ8点の構成も同じながら、荒木曰くは「向こうは台詞が付いているけど、こっちは数と猥褻さで勝っている」。