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日本を代表するグラフィック・デザイナー、美術家である横尾忠則の短編集『光る女』。60年代からイラストレーションやグラフィックデザインなどのヴィジュアルワークで異彩を放ち、広告からアングラ演劇まで手がけるも、1981年に「画家宣言」。絵画制作を中心にしながらも、溢れんばかりの才能は多方面で発揮されています。本書は、70年代に執筆した小説(短編)を3本収録したもの。小説家の井上光晴が編集をしていたという文芸誌『辺境』にて、井上の依頼で執筆した「長い長い順番」(1972)が一番古く、1976年に『ニューミュージック・マガジン』で発表した「音の河」、そして表題にもなっている「光る女」は1979年に『使者』で発表されています。エッセイから小説まで文筆業でもユニークな横尾ワールドが堪能できますが、2007年に文芸誌『文學界』で発表した「ぶるうらんど」は、翌年、第36回泉鏡花文学賞を受賞するなど、その才は高く評価されています。横尾文学(といってよいかはわかりませんが……)の初期作品を楽しめる1冊です。横尾忠則サイン入り(Signed)。