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日本を代表する写真批評家の一人であった西井一夫(1946-2001)による作品集『なぜ未だ「プロヴォーク」か』。数年前に「日本写真の1968」と題されたエキシビジョンが東京都写真美術館で行われ、その中でも写真史家金子隆一は「1968」を分岐点として論考を綴っていました。カメラ毎日の名物編集長であった山岸章二に次いで、本誌の編集も担い、数々の批評も行なってきた西井一夫が語る「プロヴォーク」とその周辺。「写真とは何か」「写真家とは何か」「なぜ撮るのか」という大命題と対面することを避けることなく、写真行為における「私」の革命を生き続けた彼らと、その同時代人である牛腸茂雄や荒木経惟にも触れながら、プロヴォークの呪縛から「未だ」逃れられないそれまでの写真界に警鐘を鳴らすべく刊行された作品集。テキストがメインですが、プロヴォーク全3号の図版も収録されており、見応え・読み応えがある一冊です。