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日本の写真家・木村伊兵衛(1901-1974)の写真集『昭和の女たち』。土門拳と並び戦前より活躍した日本写真のパイオニア的存在であり、名取洋之助らとの「日本工房」におけるフォト・ジャーナリズムから、高峰秀子らに象徴される女性ポートレート、さらにはブレッソンやドアノーらとも比較評されるスナップなど、多彩なフィールドで活躍した下町生まれの粋で洒落たカメラマン木村伊兵衛。本書は、木村の女性の肖像・スナップなどに焦点を当てまとめられた一冊で、木村に師事した写真家の田沼武能が編集し、直木賞作家の長部日出雄がテキストを付しています。日本髪に和装が目につく30年代〜40年代の東京で写された〈戦火を越えた顔〉、主に50年代に撮影されたもので女優のポートレートなどを含む〈戦後を生きる表情〉、60年代〜70年代の日常や風俗を写した〈繁栄のなかで〉、そして終章は50年代から晩年まで通った秋田で写した〈秋田の女たち〉と、めまぐるしく変化する時代と女性の姿をファインダー越しに見つめてきた木村の仕事に追っています。