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雑誌『商店建築』によるデザイン選書の5巻目となる本書は、“和風料理店”をテーマに、懐石や割烹、てんぷら、寿司など約40店舗のエクステリアやインテリアを紹介しています。2015年に惜しまれつつ取り壊しとなった「ホテルオークラ本館」の設計で知られる建築家・谷口吉郎による京懐石「柿傅」やグラフィック・デザイナーとして著名な河野鷹思が手掛けた瀬戸内料理「早鞆」、ホテルビラ蓼科の和食堂「湖城」をはじめ、気品に溢れる数寄屋造りから、和洋折衷のモダンな空間、民芸調のそば屋や田舎料理店など、それぞれ趣は異なりますが、木材をふんだんに取り入れた落ち着きのある空間に、和のエッセンスを感じ取れます。巻頭には、辻嘉一(辻留主人)「料理屋建築について」、彦谷邦一(建築家)「伝統的な日本空間 数寄屋」、岡野忠幸「和風感覚の系譜」といったテキストがあり、本書のテーマを掘り下げる足がかりとなっています。