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日本の音楽家・作曲家・アーティストである坂本龍一(1952-2023)のビジュアルブック『音楽図鑑―エピキュリアン・スクールのための』。1984年に発表された名盤『音楽図鑑』を起点として制作された本作は、単なるアルバム関連書籍ではなく、坂本龍一の音楽的思考や美意識を紙上で再構成した実験的なアートブックです。東京藝術大学で作曲を学び、テクノポップの革新者としてYMOを牽引した坂本は、その後も現代音楽、映画音楽、メディアアート、環境問題など幅広い領域を横断しながら活動を展開しました。本書が刊行された1980年代半ばは、ソロアーティストとしての表現が大きく成熟した時期にあたり、その知的好奇心と越境的な創作姿勢が色濃く反映されています。全編を通じて展開される鮮やかなヴィジュアルや断片的なテキストは、楽曲を解説するのではなく、音楽が喚起するイメージや感覚を別のメディアへと翻訳する試みとして機能しています。また、アートディレクションを手がけた奥村靫正による先鋭的なデザインも見どころで、1980年代日本のグラフィックデザインの熱気を伝える資料としても高く評価されています。音楽、デザイン、出版文化が幸福に交差した時代を映し出す一冊です。第1刷。帯付。別冊・創作ノート付属。