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日本の写真家・鈴木達朗の作品集『濤声 / The Sound of Waves』。東京のストリートへ深く踏み込み、群衆の緊張や衝動を至近距離で捉えてきた鈴木達朗は、その鋭さと密度で独自のストリート写真を築いてきた作家です。偶然の衝突や瞬時の視線の交錯を正面から受け止める姿勢が特徴で、画面には都市のざらつきや身体の気配が直接的に刻まれてきました。本書は、そうした従来の作風から一歩踏み出し、音楽的なリズムや情緒を帯びた構成が感じられる新境地的な一冊です。波のうねりのようにイメージが連なり、風景や人物の断片が静かな余韻を残しながらページを流れていきます。ストリートの緊迫感は保ちつつも、光や影の揺らぎ、フレームの間に生まれる呼吸がより柔らかく響き、写真そのものが音を発するような感覚が漂います。都市の騒がしさの奥に潜む静けさを掬い上げ、鈴木が見つめる世界がより深いトーンで立ち上がる一冊となっています。