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日本の写真家・森山大道(1938-)の作品集『Kuchibiru(One Picture Book #39)』は、Nazraeli Pressによる限定500部のシリーズとして2006年に刊行された小品です。1950年代から一貫して都市の匿名性や欲望の断片を見つめ続けてきた森山は、粗い粒子と強いコントラストによる独自の視覚言語で、見ることの本質を問い続けてきました。本作では「唇」という象徴的なモチーフを通じて、人間の身体と都市の境界を探っています。ポスターや広告、路上の人物などに現れる唇のイメージは、欲望と孤独、存在と不在のあわいを描き出し、視覚の曖昧さを浮かび上がらせます。小さな判型の中に、森山の写真がもつ緊張と詩情が凝縮され、見る者の記憶と感覚を静かに刺激する一冊です。写真家サイン入り、及びプリント付き。