私写真論

飯沢　耕太郎 / Kohtaro Iizawa

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日本の写真評論家・飯沢耕太郎による作品集『私写真論』。飯沢は1954年宮城県生まれ、東京綜合写真専門学校卒業後、写真評論やキュレーションを通じて日本写真史の再評価や現代写真の理論構築に大きく貢献してきました。特に「私写真」という概念を提唱し、個人の内面や私的領域を起点とする写真表現を理論的に位置づけたことで知られます。本書は2000年に筑摩書房より刊行された四六判・全240頁の評論集で、「歴史と展開」「写真家たち」「『私写真論』ふたたび」の三部構成。第一部では戦後日本における私写真の系譜を整理し、第二部では中平卓馬、深瀬昌久、荒木経惟、牛腸茂雄らを取り上げ、それぞれの作品における「私」の表れ方を詳細に論じます。第三部では過去の議論を踏まえ、私写真の意味と可能性を再定義。作家論と歴史的分析を往還しながら、写真というメディアが個人の存在や記憶とどう関わるのかを深く掘り下げています。発表から20年以上を経た今も、日本写真論の重要な柱として読み継がれる一冊です。

＜Condition＞ ジャケット：少ヤケ・少イタミ、帯欠、本体：経年並み