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日本の写真家・水谷吉法による写真集『Tokyo Parrots』。都市の夜景の闇に潜む小鳥たち――セキセイインコやインコ類――の群れに着目し、東京という大都市の片隅に息づく「異質な存在」をカメラで追い続けてきた水谷。都市の灯りと影、クローズアップされた小さな彼らのモチーフは、日常と非日常の境界を静かに揺らします。本作は、2014年にIMA Photobooks(アマナ)より刊行された作品集。写真に収められた深夜の公園や住宅街に現れる小鳥たちの姿は、不意に出会った異空間のような幻想性を漂わせつつ、都市生活の中にひそむ生態のリアリティを繊細に伝えます。都市のざわめきに溶け込むように佇む「緑色の羽根」は、一見ささやかな被写体でありながら、人と自然の関係を問いかける象徴的存在として、見る者の想像の世界も広げてくれます。過剰な説明ではなく、余白を残す構成と静謐なまなざしで綴られたこの一冊は、都市という舞台に潜む小さな命への深い共感と知覚のリアルを映し出しています。