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日本の写真家・剣持加津夫の写真集『これが麻薬だ 写真で見る現代の病根』。1960年以来「麻薬追放キャンペーン」と称して、厚生省や警視庁と連動のもと、40年以上もの間麻薬を追い続けたジャーナリストとして名高い剣持加津夫。捜査上の機密事項や人権侵害を回避すべく、撮影方法や技術的な工夫を凝らして、写真の抽象表現至っては芸術表現にまで発展させ、麻薬問題ものならず「性の解放」や「エロティシズム」にもそのオリジナリティを存分に発揮した写真家です。写真の「記録」と「創造」という両面で無類の作品を発表し続けた剣持ですが、本書は、1984年に刊行された作品集の改訂新版。「薬」「中毒」「捜索」の三部構成で、1998年に刊行された「フラッシュバック」よりもシンプルにまとめられています。戦後米兵らによって持ち込まれ、全国的に氾濫を巻き起こした麻薬。60年代当時は密売人や密輸入者に対する刑罰も軽く、検挙しても微罪であったことから「麻薬大国」と揶揄されていたという日本。そんな現実を撮影し、社会に訴えようとの思いから始まった剣持によるルポルタージュ。1988年刊行・第4刷。