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山陰を代表する写真家のひとりである塩谷定好(1899-1988)の作品集『塩谷定好名作集 Album 1923-1973』。本書が刊行された70年代半ば頃は、山陰エリアには100近いカメラクラブが、そして会員数では数千人にも及ぶカメラマンがいたそうです。東京でも関西でもない地域で、これほどの写真愛好家いたことは驚異的ですが、そんなエリアで戦前より活躍した一人がこの塩谷定好。カメラ、感光材料も未発達な時代に、創意工夫を重ねて、独自のテクニックを見出だして撮影・プリントを施し、植田正治が活躍する以前から、日本の伝統文化を礎とした山陰の原風景を捉え続け、1980年代には世界最大の写真見本市’フォトキナ’で栄誉賞を授与するに至った近代写真のパイオニアです。本書は、植田正治が監修を担い、75年に刊行された作品集で『日本写真集史1956 - 1986』にも掲載された名著。ベス単による美しいソフトフォーカスの図版の数々に魅せられる一冊です。帯付。