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20世紀を代表する女性写真家のひとりであるナン・ゴールディンの作品集『Ten Years After』。日本では80年代の荒木経惟が一種のブームを作り、エロスを絡めた独自のストーリーで紡ぐ「私写真」が注目されましたが、同時代のアメリカにおける私写真家と言えば、ゴールディン。自身が大切にしてきた身近な恋人や友人たち、それは時に同性愛者やドラッグクイーンも含まれますが、そんな対象を親密に収めたイメージは、後の90年代のサブカル及びファッション・カルチャーにも多大なる影響を及ぼしました。本作は、ゴールディンが70年代より親しくしてきた女優・作家のクッキー・ミューラーと、そのパートナーであったヴィットリオ、さらには友人のダニエーレらをナポリで撮影した1986年のイメージ、さらにはその10年後に同地を訪れて撮影した図版で構成されています。しかし、10年後にはその3名はすでにこの世を去り、当時のゴールディンの内省的心象がしみじみと伝わる作品の数々です。