Google Translate
戦後日本を代表する写真家のひとりである石内都の作品集『Beginnings: 1975(Signed)』。ここ最近は「ヒロシマ」や「フリーダ・カーロ」らをモチーフにした遺物などの接写を通して対象と会話を重ね、女性ならでは作品を創作し続ける石内ですが、70年代後半から80年代にかけてのアーリーワークは「横須賀」また「モノクロ」。幼少から青春期を過ごした街に強いコンプレックスを抱き、日本なのに日本でないようなアメリカニゼーション化した姿や、娼婦が米兵相手にした街に漂う「男臭」などが妙に記憶に残り、そんな思いを70年代半ばから始めた写真に描写していきました。こちらは横須賀にほど近い「金沢八景」で75年に撮影した本当のアーリーワーク。40年以上暗室で眠っていたものから当地の図版のみをピックアップしてまとめられました。「相変わらずヘタな写真だなあと思いながらすでにこの時から『絶唱、横須賀ストーリー』『アパート』『連夜の街』へとつながる視線があったことを確認するのだった」(あとがきより)。写真家サイン入り。