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本書は、1992年に米子市美術館で行われたエキシビジョン『植田正治とその仲間たち 1935〜55』を機に刊行されたカタログ作品集。山陰地方は、植田より前の時代には、塩谷定好らもあり戦前から写真が盛んなエリアでありましたが、本展は植田の長いキャリアの中でも戦前・戦中そして戦後間のない時期にあたる35年から55年にフォーカスしています。野島康三や福原信三、そして浪華・丹平・芦屋などアヴァンギャルドな創作写真などで、東京にも進出していた関西の写真界からも刺激を受けて、山陰・中国地方でも、土門拳らの指導も受けながら、様々な写真サークルが生まれました。本展では、植田も会員であった中国写真家集団や、盟友緑川洋一と同じ会員であった銀龍社、さらには杵島隆も在籍した写真家集団エタン派なども紹介され、当時の植田の作品のほか、植田が刺激を受け、ビジョンを共有してきた同志たちの作品も紹介しながら、日本近代写真の確立の一部を担った同地域の写真家たちとその作品を紹介した貴重なエキシビジョンです。