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日本を代表する写真家のひとりである佐内正史の作品集『わからない』。90年代初頭より本格的に写真を始めたという佐内は、独学で自身のスタイルを極めていった異色のフォトグラファー。本質的には異なれど、どことなくありふれた風景ながら、その切り取り方、さらには対象への深い洞察は、高い人気を誇る清野賀子らを想起させ、近しい時代に頭角を表してきたホンマタカシ、原美樹子らともに、21世紀を担う新世代の写真家として高い注目を集めました。その期待通り、現在でも各々の人気そして活躍は続いておりますが、本書は『生きている』に続いて今はなき光琳社出版より刊行されたセカンドブック。8万円で購入したという愛車マーク2をモチーフにしたカバー及び前半。特別なイメージがあるわけではないのですが、従来のスタイルにこだわらない斬新なレイアウトやデザインも特徴的で、「ごく普通なものから生まれる特別」な世界観が凝縮した一冊です。「The Photobook: A History volume II」掲載本。