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日本の写真家剣持加津夫の写真集『魔薬 フォート・ドキュメント』。「Kenmochi(剣持)= Narcotic(麻薬)」という代名詞がつく程、長年収め続けた麻薬に関するドキュメントは評価が高く、取り分け1963年に刊行された初期作品である本書は人気があります。第一に、これほどまでに麻薬の現状をフォト・エッセイを交えて詳細に取材・描写されたドキュメンタリー作品は世界的に見ても類を見ません。第二に、麻薬に付随する商取引や使用現場の実態をリアルに描写することは、警察でさえ容易ではなく、写真家が行なうこと自体が困難である中で、これほどまでに活写されていること。そして第三に、写真家によって撮影された図版及びその編集に優れていることです。「麻薬のもたらす社会渦は想像以上であり、その現実を告発し、社会に訴えることは、カメラをもった写真家の使命である」という強い意志のもとで、危険と隣り合わせの中で、様々な工夫と創意に基づいて麻薬現場の実情を描写し続けた偉大なる写真家の軌跡。