Google Translate
アメリカの写真家であるS.Bウォーカーの作品集『Walden』。北東部のニューイングランドに生まれ、現在も当地で活動を続けるウォーカー。今回作品のモチーフとなったのは、ヘンリー・デイヴィッド・ソローによる名著『ウォールデン 森の生活』(原題は『Walden; or, Life in the Woods』)。ウォールデン湖畔で、自然と調和した孤独と内省のシンプルな生活を送るという著者の超絶主義的な見解は、やがて環境保護運動の先駆けとなり、この湖の存在は、神秘化していきました。この地に近いところで生まれ育ったウォーカーは、この世の中の認識と現実とのギャップに疑問を持ち、その答えを本書に捧げます。自然と共存する姿は現在も変わりませんが、「神秘」というものではなく、あくまでも今も変わらず人々の「日常」であり続ける「ウォールデン」。そんなやすらぎをも覚える素晴らしい風景が数多く描写されています。写真の質感も大変素晴らしく、アレック・ソスを想起させるような素晴らしい図版の数々です。